著者アーカイブ Kita

著者:Kita

Newsletter #13 スマートフォンアプリを活用した探究フィールドワーク

「別府らしさ」を、留学生と、スマホを使って

 旅先での学びをより深めるために必要なことは何でしょうか?LbE Japanは、「価値観の異なる人達」との「体験」により学びを深める活動を主としていますが、日常を離れて過ごす「修学旅行」のプログラムでは、「その土地ならでは」の必然性をより意識して活動を組み立てています。見逃してしまいがちな「その土地ならではの姿(=魅力や特徴)」を、より効果的に「見える化」するために、スマートフォンで操作できるアプリケーションを活用したプログラムを実施しています。 

鉄輪(かんなわ)×留学生×スマートフォン

 鉄輪温泉は温泉湧出量・源泉数ともに日本一を誇る大分県別府市に位置しています。この地に住む人々は、鎌倉時代から僧侶、一遍上人の教えによって、「地獄」とも呼ばれた負の要素をうまく活用して暮らしてきました。
エクスプロレーションのフィールドワークでは、街中のあちこちから立ち上る湯けむりの元となる「湯」や「湯気」が暮らしや観光に活用されている様子、街の成り立ちや地理的な特徴などを、それぞれにまつわる「場所」で一つ一つミッションをクリアしながら目の当たりにします。
大分県は海外戦略を策定していることもあり、多くの「海外からの留学生」を抱えています。日本人の目で見ても特異な魅力を持つ鉄輪エリアを、留学生と共に彼らの視点も借りながら巡ります。フィールドワークに使用するスマートフォン上のアプリケーションには、事前に位置情報やミッションが設定され、楽しく学びを深めます。自分達だけでは、ただ歩いているだけでは発見できない鉄輪の「全体像」と、「それぞれの場所でふれておくべきモノ・コト」に出会うことができます。

ミッションを通じて得られるもの

ミッション例:
①「別府の飲泉を試飲して、留学生リーダーに何味か聞いてみよう。」
②「ゆめたけ通りで地元の人に道路がなぜこのような作りになっているのかを聞いて、留学生リーダーに英語で説明している様子をビデオで撮影しよう。」

上記は先日実施されたエクスプロレーションのミッション例です。これらのミッションを「留学生とスマートフォンを使って」クリアしていくことでどのような知識や気づき、学びを得ることが出来るのでしょうか?
①では「試飲する」「自分自身が味わう」「味の感じ方の違いを知る」「表現の違いを知る」「飲泉の成分を知る」「効能を知る」「他のエリアの温泉と比較する」「そのような習慣の有無を比較する」等、②では「言葉の定義にふれる」「地域の人とコミュニケーションを取る(インタビューする)」「地域の成り立ちを知る」「翻訳して説明する」「活動の様子を記録する」等、参加者はミッションを通じて「あたりまえ」が通じないことに直面します。環境や文化的背景による「物事の見方や感じ方の違い」の存在に気づき、「違いがあるという前提」の重要性も認識していきます。
ミッションに取り組むには知識やスキルを駆使する必要があります。場所を題材としたコミュニケーションが促され、参加者と留学生が互いを知り繋がりを感じることで、目標達成に向けてグループで協力し合う気持ちや行動が生まれます。

「楽しい・おもしろい」が深い学びの入り口に

 エクスプロレーションではミッションをクリアする毎に「ポイント」を獲得し、活動終了時には表彰があります。また、活動の記録はアプリケーションに記録され、活動終了後に振り返ることができます。より多くのポイントを獲得するためにはメンバーの協力が不可欠です。留学生がバックアップをしながらグループで戦略を立て、メンバーそれぞれが個性を活かし、役割を果たすことで「楽しく」ミッション達成を目指していきます。
「ゲームの楽しさ」をベースにスタートしたエクスプロレーションは、やがて参加者の「未知の場所で未知のモノ・コトにふれること」「自分と異なる人達と一緒に活動すること」「異なる地域(鉄輪、地元、留学生の母国)のモノ・コトを比較すること」「違いの背景を深掘りすること」等の「好奇心をベースにした楽しさ」に向き合う姿勢を刺激し、様々なモノ・コトに「?」を持つ(問いを立てる)ためのアンテナを高くしていきます。
エクスプロレーションでの活動そのもので得た鉄輪の知識のみならず、参加者は「フィールドから何を得られるか?」「その背景にどのような理由があるのか?」等、自分の「知りたいこと(=興味関心)」をベースに深掘りしていく「姿勢」を体験的に学ぶことができます。この体験によって、参加者のその後の生活の様々な場面における「気づき」や「学び」が広がることを願っています。

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※GVS=世界中から集まる留学生「GEPメンバー」との協働体験型学習プログラムです。 ※GEP=Global Education Project (GEP)は、LbE Japanのミッション「世界の人々との協働を通じて明るい未来を実現する」に共感した留学生のコミュニティです。

この度はGlobal Village Newsletter 第13号を手にとっていただき,誠にありがとうございました。 これからも、日々増え続けている「学びの場面」の事例をピックアップしてご紹介させていただきます。 (編集担当:堀 真奈美)

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日本人運営サポーター募集(関東地区)

日本で学ぶ多国籍の留学生メンバーとの協働体験プログラム。本企画の運営をサポートする日本人サポーターを関東地区で募集します!

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Miracle Challenge 日本人スタッフ募集

夏期限定!短期間で子どもたちの「英語が使える(話せる)自信」を育む英語スキル育成プログラム。今年も本企画の運営をサポートする日本人スタッフ(インターン)を募集予定です。

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Newsletter #07 世界をより近くに感じるための “SDGs”

あなたが実現したい「幸せな世界」とは?

 世界各国から集まる留学生(GEPメンバー)と一緒に活動するGlobal Villageでは、世界中の仲間と一緒に「どのような未来を実現したいのか?」をテーマに活動に取り組むことがあります。 仮に、「実現したい未来」を「世界中の誰もが幸せと感じる世界」と定義づけると、日本で生活をする私たちにはわからないことがたくさんあることに気づかされます。そのような場面で世界を広い視野で眺め、様々な視点で世界中の人々の生活に思いをはせる一つの手段としてSDGs(エスディージーズ)の枠組みを活用します。  

SDGsとは(序文抜粋)
The Sustainable Development Goals (SDGs), otherwise known as the Global Goals, are a universal call to action to end poverty, protect the planet and ensure that all people enjoy peace and prosperity. 持続可能な開発目標(SDGs)、通称「グローバル・ゴールズ」は、貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す普遍的な行動を呼びかけています。

国連開発計画(UNDP). (2018). 持続可能な開発目標. [online] Available at: http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sustainable-development-goals.html [Accessed 6 Jun. 2018].

 

画像の向こうの人々、出来事とその背景

 神奈川県の高校1年生が新入生合宿で三日間、世界が抱える課題を論理的手法で考えるプログラムに参加しました。グループ毎に17枚の写真から1枚を選択し、 その画像が抱える背景(モノ・コト)とそのつながりをマインドマップを使って明らかにしていきます。 手がかりは画像が映し出す世界の様子と事前に学んだSDGsで定義づけられた17のゴール、そして私たちと異なる背景を持った留学生リーダー達からのリアルな情報や意見です。  選択した課題を中心に置き、その背景を留学生と一緒に確認し、 それぞれを関連づけて線でつないでいくことで、選択した画像が抱える様々な背景が明らかになり、輻輳した課題群に辿りつきます。

世界(=そこで暮らす人たち)が抱える課題

プログラムの中では、マインドマップで考えたことや、事前に学んできたことを踏まえ、留学生の母国が抱える課題や取り組みについてインタビューを行いました。本でもネットでもなく、「人」を通じて「解決すべき課題」に触れ、目の前の人の実生活に基づく課題感をもとに、解決ための仮説を立てて発表します。 その人が実際に体験したストーリーは参加生徒の興味を惹きつけます。活動が終わった後に「もっと知りたい・・・」と、留学生に質問を投げかける様子が印象的でした。 今回は参加生徒が課題に対して思考を重ね、解決策を仮説として提示しましたが、「世界地図が描かれた模造紙に留学生の母国の課題と取り組みをまとめ、共有する」など、様々な事例にふれるステップを入れることで、「自分達ができること」をより具体的に考えるきっかけとなります。

世界の変化の主体者になるために

-プログラム参加者のコメント- 【日本と世界の違いについて、たくさんのことを学べた。そのたくさんの違いを知りたいと思った。】 今回のプログラムでは今後、探究をしていくための手法の体験、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の生徒としてはじまる学び=キャリアの第一歩に位置づけ、課題発見のサポートとしてSDGsのフレームを活用しました。 LbE Japanは、ミッションの「世界の人々との協働」を通じて、少しでも多くの参加者が世界の変化の主体者として、「明るい未来」に貢献していく姿を楽しみに、参加される皆さん(そしてGEPのリーダー達、我々自身)へのさらなる機会提供に向けて取り組んでいます。

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※GVS=世界中から集まる留学生「GEPメンバー」との協働体験型学習プログラムです。 ※GEP=Global Education Project (GEP)は、LbE Japanのミッション「世界の人々との協働を通じて明るい未来を実現する」に共感した留学生のコミュニティです。

この度はGlobal Village Newsletter 第7号を手にとっていただき,誠にありがとうございました。 これからも、日々増え続けている「学びの場面」の事例をピックアップしてご紹介させていただきます。 (編集担当:松本 知)

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Newsletter #06 複数学年のつながりのある”Global Village”

「世界」とふれあいながら、自身の成長を実感し、夢中になって取り組める「道しるべ」としての学校行事の実現に向けて

参加生徒の学年に応じた段階的なプログラム設計

 世界各国から集まる留学生(GEPメンバー*)と一緒に活動するGlobal Villageでは、中学、高校三年間、または中高六年間を通して、学年毎の行事を継続的なプログラムとして設計、実施することが可能です。 各学年で設けられた「世界とふれる機会」、「適切に設定された目的とテーマ」によって掻き立てられる興味関心と、活動を通じて実感できる自身の英語・コミュニケーションスキルの向上が、もう一つ上のゴール(次学年の行事=道しるべ)に向けた自発的な学びの姿勢を生み出します。

事例)一貫したテーマとアレンジされた活動内容

 大阪の中高一貫校では、中学校一、二年生の行事として校内でのGVSプログラムをそれぞれの学年で二日間実施しています。この学校では二学年とも「理想の未来」をテーマに活動に取り組みます。

 一年生は、まずは「英語を使うことが楽しい」、という世界の人々と通じ合える喜びを感じ、GEPメンバー独自の視点にふれた上で、「理想の未来を描くこと」をゴールとして活動していきます。二年生では、コミュニケーションの密度を上げ、一年生よりも多くアウトプットする機会を設けています。二年生ではさらに、「理想の未来を描く」のみでなく、「理想の未来」を実現するために「解決すべき課題を発見」し、「解決策を考えること」もゴールとして含めています。

 一貫性を持ったテーマに、難度・深度を変えて繰り返し取り組むことで、参加生徒が日常の授業で得た知識やスキル、それにともなう自身の成長を肌で実感できる機会となっています。

自分の成長を振り返り、課題を発見する機会

中学二年生のコメント

・去年より英語が話せるようになって、留学生の言っている英語が理解できておもしろかった。

・いろいろなことを学べて、さらにチャレンジができたのがよかった。

 「できなかったこと」、「できるようになったこと」を「実体験、経験を通して」認識することで、自ずと次の目標が見えてきます。与えられたものではなく、自分自身の中での尺度、目標感を持って(日常ではふれあう機会の少ない)世界の仲間との協働に挑戦することで、自分の可能性に気づき、それまでは「未知だった世界」とのつながりを実感し、自身の将来、未来を自分自身で創っていくための一助となることを願っています。

継続的なプログラム構築のための連携体制

 継続的且つ長期的なプログラムを構築するために欠かせないのが学校との連携体制です。  学校のミッション、それを実現するために各学年に設定されているテーマや目的を把握すること、そして何より、参加生徒の「状態」を把握することが必須となります。

 事前の打ち合わせ、プログラムの現場における密なコミュニケーションを通じて、都度活動内容にアレンジを加え、調整を繰り返しながら、その場だからこそ実現できるプログラムをGEPメンバー、参加生徒さんと共に形成していきます。

 先に述べた大阪の学校では、活動している生徒の様子を見ながら、先生方からコメントやアドバイスをいただきプログラムを進めました。プログラムの現場で起こったこと、生徒が変化していく様子を都度、先生方と共有することで、日々の授業や特別活動と有機的につながり、プログラムの「道しるべ」としての位置付けがより活かせるものになると実感します。

 学習者を中心に、そして学習者と一緒になって、複数の学年にまたがって継続的に関わることのできるこのような機会は、GEPメンバー、私たちLbE Japanスタッフにとっても、生徒さんの変化を目の当たりにできる貴重な学びの機会です。

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この度はGlobal Village Newsletter 第6号を手にとっていただき、誠にありがとうございました。これからも、日々増え続けている「学びの場面」の事例をピックアップしてご紹介させていただきます。(編集担当:片山 奈々)

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Greetings from the world

101カ国、907名が所属するGlobal Education Project のメンバー達が、Global Village で皆さんと出会い、学びの時間を一緒に過ごすことを楽しみにしています。

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Global Education Project

参加する人たち合わせてデザインされた Global Village での活動。より多くの学びを得るための準備もGlobal Education Project (GEP) メンバーが主体的に。

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Newsletter #05 “Global Peace Study”

未来において広島と長崎は、核戦争の夜明けではなく、私たちの道義的な目覚めの地として知られることでしょう。バラク・オバマ

 

Global Peace Studyとは?

 広島や長崎を舞台に、歴史に向き合い、「自分たちと背景や価値観の異なるメンバー達」とともに考える、「『平和構築』のために必要なこと、自分ができること、すべきこととは?」 LbE Japanでは、世界中から日本に集まり、学んでいる留学生のメンバー達と日本の生徒達が一緒に「平和とは?」について考え、その未来を実現するために何が必要か意見を交換し合う、「平和構築」について考えるプログラム、Global Peace Studyを実施しています。 Global Peace Study では、「人」を通じて、 ・自分たちと異なる「幸せとは?」「平和とは?」の定義にふれ、 ・平和を実現(構築)するために何が必要なのか?(必要ないものは何か?)について意見を交換し、 ・日常の中で自分ができること、すべきこと を考えます。  

 

参加者からのメッセージ

 『平和』は一人一人が人間として生きられる事だと思った。 戦争がなくなれば平和なのではなく、失業や飢餓や環境汚染、宗教問題、言論の自由など、それらが解決されて はじめての『平和』と言えるのだと思う。 「人の嫌がることはしない」「人を互いに尊重しあう」ということ は、私達が小さい頃から学んできたこと。 平和が実現されていないということは、それができていないということなので自分の出来る範囲でも平和は実現できると思った。

 

戦争の反対=平和?

  「戦争がない」日常を送っている人たちは「平和」な場所に身を置いていると言えるでしょうか?  平和学の第一人者であるノルウェーの学者ヨハン・ガルトゥングはこう述べています。「平和の反対は暴力であり,暴力には主体的暴力と構造的暴力がある」。 主体的暴力とは戦争など主語がはっきりとした暴力であり、構造的暴力とは主語がはっきりしない、社会に組み込まれた暴力であり、この二つの暴力の無い状態(“Negative” Peace + “Positive” Peace)=安心安全に暮らせる状態が、真の「平和」であると唱えています。

 

「共感」に必要な知識と経験

 報道ではふれることのできない「安心安全な暮らし」が実現していない日常。自分とは全く異なる背景を持つ異国の「人」を通じて知る世界は驚きとともに探求の心を刺激します。  ハワイで生まれ育ったアメリカ国籍のメンバーと西アフリカのベナン共和国(公用語はフランス語)で生まれ育ったGEPメンバー*、それぞれの視点で 「第二次世界大戦」と「その前後の変化」を捉えたとき、どのような違いがあるのでしょう?実際に彼らのプレゼンテーションにふれると、私たち大人も自分の世界の狭さを思い知らされます。 Global Education Project (GEP)は,LbE Japanのミッション「世界の人々との協働を通じて明るい未来を実現する」に共感した留学生のコミュニティです。  人との出会いからはじまる「幸せとは?」「平和とは?」の問いが、世界で起こっている出来事に対しての、そしてすぐ近くの人たちへの関心、共感、理解しようとする態度につながります。  GEPメンバーとの活動で、自分の将来と世界の未来が地続きであることを実感し、行動の変化につながる。そのような場をこれからも創造していきます。

 

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この度はGlobal Village Newsletter 第5号を手にとっていただき、これからも、日々増え続けている「学びの場面」の事例をピックアップしてご紹介させていただきます。(編集担当:青栁 達也)

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印刷用PDFデータ:Newsletter #05 “Global Peace Study”